極私的ドラマクラブ 2023

 今年のアルファなコンテンツも結局ドラマが多かったよな、ていうかアルファじゃないけどいいドラマもたくさんあったよな、と思い、年末の再放送をうっかり見てしまって、そうだ、まさにその「ブラッシュアップライフ」発信でぴったりの概念あったじゃないか、ということで、2023年の極私的ドラマクラブが執り行われるに至りました。しかも再放送ドラマも含んでます、どんだけだ。
 (★=アルファコンテンツ入り)

★「ブラッシュアップライフ」
 100点。タイムリープものっておもろいけど、連続ドラマだと伏線覚えておくのに負荷かかんないかな、とか思ってたけどぜんぜんそんなことなかったし、それでいて○周目が○周目の新たな伏線になる的な込み入ったパズルも楽しめたし、しかもそれでいてヘンに理屈にこだわって小難しくなったりもせず(正直ちょいちょい理屈合わないとこもあった)、視てる側に過度な考察を求めるようなこともなく、繰り返す度にヒートアップして鬱展開になるようなこともなくて、ゆるい駄弁りが全開だったしで、年末の再放送うっかり全部見ちゃったじゃないかというくらいには100点だった。さすがバカリズムだった。
 最終的に、ようやく4人が同じテーブルについてカフェで談笑することができたシーン見て、泣いてた、あれはごほうびシーンでしょう。
 ただ、やっぱり若干の伏線っぽいのが多少のこってるの、何なんだろうなあ。

●「100万回言えばよかった」
 なかなかのシリアスな出来事のはずなんだけど、ちゃんとコメディっぽくもなってるの、すごいな、と。

●「大奥」
 歴史SF、ジェンダー、個人の生きづらさや社会との軋轢、科学と政治といったテーマを云々というのはよしながふみ原作からそうですが、それに加えて映像作品としてのこれは、色の使い方がすごいんだなあ、と思いながら見てました。これ大河にしたらいいのになあと思ってたら、このチームで「べらぼう」やるそうで、楽しみです。

●「星降る夜に」
 「silent」の直後クールだったけど、そうじゃなかったらもっと話題だったかもしれないんじゃないか。ていうくらい、ムロツヨシがやばかった。ムロツヨシの号泣を見て泣き、ディーンが妻のいない家を静かに掃除するシーンで泣いてた、こんな泣かされるドラマと思ってなかった。光石研、水野美紀含め、しっかり描かれていたので、これが大石静脚本・吉高由里子主演のドラマであるということを、「光る君へ」を見る際にはふまえられたい。

●「6秒間の軌跡 : 花火師・望月星太郎の憂鬱」
 最高の橋爪功、最高の高橋一生、最高の本田翼が見れて、こんな座組でおだやかな家族ものが民放地上波で見れるのあんまないなあと思って見てた。あのお便りコーナーだけが謎にとんがってた。

●「Chef〜三ツ星の給食」(再)
 天海さんのドラマの中でも、極私的に好きなやつ。天海さんが料理するんだものそりゃ再放送でも見るでしょう。特に、牛乳アレルギーの子に即興で豆乳使った料理作ったの見て、ぐすぐす泣いてた。

●「らんまん」
 学術と印刷メディアの話だった。でしたよね?

●「だが情熱はある」
 あまりよく知らない下積み時代の話はちゃんと見てないのですが、それぞれがM-1に出たあたりからちょっと見出して、それきっかけでオードリーってかっこいいなあと思って、わりとオードリーを好んで見るようになった感がある。

●「風間公親 教場0」
 生見愛瑠の人を”俳優”としてちゃんと見るようになった、という功績を持つ作品。

●「unknown」
 キャラが愛すべき人たちばかりで、設定がコメディで、事件がホラーで、考察が高度で、最後のはどう解釈したらいいの? っていう、わりと感情が忙しいドラマだった気がする。

●「ペンディングトレイン : 8時23分、明日 君と」
 なるほどこれも時間ものでしたね。

●「それってパクりじゃないですか?」
 立場柄、見ておくべきドラマだったとは思うのですが、見れてない。保存はしてあるので、いつか見れるといいな。

★「日曜の夜ぐらいは…」
 岡田惠和脚本で女子3人なので令和版の「彼女たちの時代」みたいになるかな、好きな演者ばっかりだし、絶対おもろいなと思って見たら、やっぱり絶対おもろかったやつ。岡田脚本なんで、いつどのタイミングで鬱展開攻撃をくらうだろうかと、だいぶ怖い要素いっぱいあるしと、ずっとベースではハラハラしながら見てたんだけど、後半は始終いい展開のままでいてくれてホッとしてた。こういう会話劇をずっと見てたいんだなあ、と思った。あと、カフェってこんなふうにつくっていくんだねえ、ていう小商い目線でもずっと見てた。

★「波よ聞いてくれ」
 小芝風花の人がこのキャラやったら絶対見栄えするにちがいない、と思って見たら、案の定見栄えしてたし、おもろかった。これが金曜深夜放送で、録画したやつを翌早朝に見て、そのあと非常勤講師の授業という流れだったせいで、「前回の質問への答え」コーナーが若干ヘンなテンションになってしまってて困った。

●「アリスの棘」(再)
 上野樹里見るんだったらこれで見たい、と実は思うやつ。

●「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」
 主演の俳優さん(河合優実)が、子供時代は子供にしか見えなくて、高校時代は高校生に見えて、20代30代もそう見えるの、すげえなと思いながら見てた。自分では思ったことのない生き方や考え方を人から教わってこんなにすんなり身体に入ってくるって、そうそうないよなあ、と思える作品。

●弁護士・高林鮎子シリーズ(再)
 今年初めてBSが見れるようになったのですが、2時間サスペンスの再放送の中でも特に好きなシリーズのやつをやってたので、うれしくてずっと見てた。ネットもスマホも乗り換え検索も無い頃って、これで成立してたんだなあという、古き良き時代の時刻表サスペンスだった。あと、誰も彼も若い俳優陣と、やはり最高の橋爪功。

●「こっち向いてよ向井くん」
 恋愛小説は畢竟推理小説だという説を自分で勝手にとなえてて、これは見事にそれだったという感じのやつ。(なおまだ最後までは見れてない)

●「ばらかもん」
 準アルファ。なんせ景色がいいし、島の暮らしと人々と建物がいいので、癒やされていたというか、こういうのに癒やされるような趣味嗜好になったんだなあ自分も、という感慨含みで見てた。

●「ハヤブサ消防団」
 なんせ景色がいいし、村の暮らしと人々と建物がいいので、癒やされていたというか、こういうのに癒やされるような趣味嗜好になったんだなあ自分も、という感慨含みで見てたけど、なんせ事件がエグい。あと、裏の「モニタリング」とコラボのやつがちょっとおもろかった。

★「最高の教師」
 松岡茉優の人のを期待して見てたら、初回でいきなり芦田愛菜の人が圧巻でやばかった、さすがの人なんだなと再認識した。重いテーマなんだけど、たぶんセリフの言葉選びがしっかりしてるからか、繰り返して見れる(ていうかセリフを聴ける)タイプのやつだった。中盤のバッドエンド以降の乗り越え方も、誰も置いていかないインクルーシブな感じがあってよかった。いわゆる”モブ”だと思ってた生徒が長ゼリフでがっつり説得し始める神シーンもあって、芦田愛菜の人ももちろん圧巻だったんだけど、でも芦田愛菜だけが圧巻なんじゃないぞというのをちゃんと見せつけられてて、評価「優」がミルフィーユのように幾重にもかさなっている。

●「あまちゃん」(再)
 たいしたもんだと思います。

●「暴れん坊将軍」と「必殺仕事人」(再)
 BS導入の余波その2が時代劇で、「暴れん坊将軍」の第1シーズンって、最初はストーリー展開がぜんぜんかたまってなかったんだなあ、というのがすごく新鮮で見てしまってるという。俳優さんもいちいち若くて、あんな人が、こんな人も、あれ、こここんな設定だっけ、って、結局下半期いちばん見てたのこの2つじゃないか。

★「いちばんすきな花」
 いちばんすき。いや「silent」の数倍好き。ちょっとチクッとさせといて、その数倍の癒やしでカバーしてくる感じ。それを、派手な出来事なんか一切なくて、ただただ会話で丁寧にペンキ塗りしていく感じ。こういう会話劇をずっと見てたいんだなあ、と思った。
 そうかと思えば、中盤でとんでもない伏線回収をぶっこんできて、うわーってなって、あれ、そういうドラマだっけこれ?って一回なるけど、でもやっぱり元の感じになる、ていう。この生方さんの人って尋常じゃないなあ。

★「時をかけるな、恋人たち」
 いやもう、言うことないです。

●「コタツがない家」
 準アルファ。小池栄子の人がひたすらかっこいいのと、事件らしい事件が大して起こらないのに会話がすすんでいって聞けてるの、こういう会話劇をずっと見てたいんだなあ、と思った。

●「葬送のフリーレン」
 ドラマじゃないけど。ていうか、これもある意味”時間もの”だなあ、と。あと、こういう話は10代20代より40代50代のほうが刺さるんじゃないかなあ、など。

●「家政夫のミタゾノ」
 これが何シーズンも制作されてるの、日本のテレビドラマ業界すばらしい!と思っている。
 時間帯がゴールデンに映って、ゲストがふわっと豪華になってる感あるけど、変わらないでいてくれてありがたい。

●「うちの弁護士は手がかかる」
 ネタの宝庫。

●「ブギウギ」
 途中から見れてない。ステージパートをがっつり見たい。