2024年1月~5月のまとめ

2024年1月~5月のまとめ

●1月
・吉例の、おせち・雑煮・家族会議
・震災
・嵐山、小倉山
・『数の値打ち』
・年頭所感その他
・「2024年の極私的・絵馬、書き初め、トピックス、EgamiDayGs」(egamiday3+)

2024年の極私的・絵馬、書き初め、トピックス、EgamiDayGs


・「光る君へ」
・調整に次ぐ調整に次ぐ調整
・「春の画」アフタートーク
「『春の画』を観たメモ」(egamiday3+)

『春の画』を観たメモ


「直接的な絵面を見るのは苦手だけど、春画についての話を聞くのは延々興味が尽きないので、その違いは何?と考えてて」「春画が持ち備えてるのが芸術性や歴史だけでなく、“文芸”だからだな、と思い至った。春画、どれも文芸(注:絵詞的な意味ではなく)。しかもわりとインディーズな文芸」
・「毎日、執筆。」、ピンチをチャンスに変える、が如く、inputをoutputに変える
・シアトル問題
・「もじあそび」
・「万城目学氏、直木賞を受賞する」(この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ)

・「「日欧DHクロストーク2023 : 大学図書館による研究支援のこれから」の実施記録めいたメモ」(egamiday3+)

「日欧DHクロストーク2023 : 大学図書館による研究支援のこれから」の実施記録めいたメモ


・『シャーロックホームズの凱旋』
・「想い出づくり。」
・「家呑み華大」
・東映太秦映画村
・さよなら、ありがとう、egami-kyoto

●2月
・銀蘭のオリゼ
・吉田神社
・「道」。中田喜子、尾藤イサオ、大竹しのぶ、等。あとわんこそば。
・イエティ「逆張ヶ浜に夕日が落ちる」@E9
「イエティのちょうどいいくらいの世界の狂い方が、無邪気に笑えてしまうだけに一番怖いのかもしれん」
・「不適切にもほどがある」、河合優実が世に見つかった作品として後世に語り継がれるであろう。
・アフタヌーンティーと半地下
・15年ぶりくらいに旧友から電話
・ライブラリースキーマ

「ライブラリースキーマ」についてのまとめメモ(2024年2月現在)


・兄さんとの出逢い、兄さんからの返り
・『日本の小説の翻訳にまつわる特異な問題-文化の架橋者たちがみた「あいだ」』
・遠方よりお客。ほめられるに値することをやらなあかんなと。

●3月
・講演会「資料で見るパズル・クイズ・謎解きの変遷」@NDL関西館
・千両ヶ辻ひなまつり、という最高の町イベント
・町家の日、西橋詰町、もみじの小路等
・梅・桃・京都御所
・シアトル行き
-wifiも無いし眠れもしない往路
-街の変化と物価、マウントレーニア、桜、UW再訪、ダウンヒル
-ポキ丼、オイスター、中華、ビール・ホップ漬け
-ローマ字、AI、リプレイスメント完了
-wifiも電源もないし眠れもしないし遅着で乗り継げない復路、結果、品川旅情
・『嘘と正典』
・消えた代休、疲れのピークが高止まり
・10数年ぶりくらいのワイシャツ買い求めで命縮む、ていうかベルトのことは考えてなかった
・「Specialist Spotlight: Toshinori Egami」
https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Specialist-Spotlight-Toshinori-Egami
・流されて流されて流されて岡山。香港中華と2食分以上の仕出し、法事アーケードゲーム
・『伝言』
・桜・井手町地蔵禅院編、井手町ぶら歩き
・あのころのいいちょ

●4月
・「虎に翼」
・桜・桂川背割堤編
・桜・三井寺編
・桜・疏水・哲学の道・岡崎・祇園ライン
・新・シェアサイクル
・ホタルイカのパスタ、美味し
・「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」
・寄席開始、加齢を思い知る
・桜・上賀茂・植物園封鎖・御室テーマパーク編
・カキのねぎ焼き、美味し
・朝カフェが見つからない問題
・不適切発言クライシス
・大阪にて、本屋→カフェ→ブックカフェ
・「ブックカフェ上方演芸」、いごこちとやりがい
・Yahoo税クライシス、怠惰の報酬とあぶく銭

●5月
・札幌行き、神戸経由
-小樽海鮮、ジンギスカン、スープカレー
-北海道博物館、札幌図書情報館、Seesaw Books、北大キャンパス
-カラフルジャパン展@神戸市立博物館、1003、IKEA
・『「読書の自由」の成立史―1950年代アメリカの図書館員と出版者』
・青紅葉・北野天満宮編、付けたり大田神社
・「鴨川ホルモーワンスモア」
・イタいクイズ脳なので、もう一個企画できた
・「年齢の違う自分は、違う自分」
・泰山査読
・減便地獄が来る
・青紅葉・粟生光明寺編
・「なかなか失われない30年」
・消えたホルモー
・吉例・特論登壇
・デジタルアーカイブ×メタデータ勉強会#1
・届いたかどうかと効果がどこにあるかは別の話
・エンドレス・絵巻・地獄
・積年の山をひとつ越える
・5年目の山をもうひとつ越える
・なんやかんやでいろんな山をいくつかふわっと越える
・同志社登壇、ライブラリアンの休日とは
・「アンメット」
・クイズ脳のため悪夢もクイズ
・洛西バス狂騒曲

今日の「本読み」メモ:『なぜ古い本を網羅的に調べる必要があるのか』

U-PARL,荒木達雄編. 『なぜ古い本を網羅的に調べる必要があるのか : 漢籍デジタル化公開と中国古典小説研究の展開』. 文学通信, 2023.
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784909658647

 ざっと読んだ抜き書き。
 水滸伝の意義、文学研究とテキストへの問いの可能性、人文研学問の有り様、等。
 そこにデジタルアーカイブがどう絡むかについては、本書全体を通して。

「U-PARLがどのように資料のデジタル化に取り組んできたのかや、なぜ予算も人員も限られる中で東京大学が所蔵する数ある善本の中から『水滸伝』の諸本をデジタル化公開の対象に選んだのか、これは決して単純に担当者が『水伝』の専門家だからというわけではなく、たとえば「三志演者』でも『西遊記』でもなく」
「『水滸伝』の古い本などあちこちにたくさん残っているのに、どうしてそれらをできる限り網羅的に調査する必要があるのか。その調査によっていったいどういうことが見えてくるのか。これは裏を返せば、こういった資料をデジタル化公開する意義とは何なのか」
「『水滸伝』は、最初の近代的文学作品と呼んでよいのではないでしょうか。つまり『水滸伝』を研究することは単に『水滸伝』を研究するというにとどまるものではないのです。中国において近代的な読書がどうやって生まれたのか、現代中国語はどうやって生まれたのか、そして中国文学における現実描写はどうやって確立したのか」
「実は『水滸伝』版本研究から近代とは何かということに対する答えが得られるのではないか」

「白話文学研究では、版本研究と校勘作業は、その異同の相を把握して、分析していく作業ということで、極めて本質的な意味を持ちます。つまり白話文学研究では校勘作業自体が文学研究である」
「十九世紀のフィロロジーの中心的な問題の一つはやはりキャノン(経典とか聖書)の問題」「ところが、白話小説や白話文学は、そうした経典化から、ずれる部分があるわけです。そうすると、『水滸伝』や白話文学は、古代文学的にレパートリーとして読むのでもなく、そこに近代的な作者を認めるのでもなく、さらにはキャノンを探求するのでもない、どれでもない別の可能性がひょっとするとあるのではないか」
「経典だったら何がその最終的なテキストなのかという問いが可能ですが、そうではないとすると、いかなる問いが可能なのでしょうか。特にこの二十一世紀になって、デジタル化を通じて白話のテキストを読もうとしている際に、いかなる問いが可能なのでしょうか」

「興味のある人は好きだろうが、知らない人から見れば一体何の役に立つのかという代物です…「位置」を無理にひねりだすことなどない、それぞれにやるべきことをやっている人々が集まりさえすれば研究は自然につながり、大きな世界を作り上げる…さまざまな研究の居並ぶなかにすわらせてもらえれば、おまえがいる位置はここなのだよと教えられ…ですから、研究者一人をつかまえて「おまえのやっていることにはいったいなんの意味があるのか」と問い詰めるようなことはどうかお控えいただきたい」

今日の「本読み」メモ:『デジタル時代の図書館とアウト・オブ・コマースをめぐる著作権法制』

鈴木康平. 『デジタル時代の図書館とアウト・オブ・コマースをめぐる著作権法制 : 日本法における「絶版等資料」の再検討』. 勁草書房, 2024.
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784326404384

 ざっと読んだ抜き書きとメモ。

●20世紀のブラックホール問題
「1950年代以降、オンラインで入手できる資料は激減しており、20世紀のブラックホール問題がある」「20世紀のコレクションの複雑な著作権状況がデジタル化の取り組みを妨げているという文化遺産機関からの報告を多数」

●NDL図書館送信サービスの海外参加館問題
「海外からの参加館は、2023年10月時点でわずか9館となっている。参加館が増えない要因として、①「ユーザーが遊法行為をしないよう監視できる態勢を整えられない」」「②「申請に必要な提出書類の多さと複雑さ」」「③「複写サービスを提供できない」」
「外国の施設を対象とする図書館向け送信サービスは、受信地国の公楽を主に利用者として想定しており、当該施設が所在する国の著作権法が適用されると考えられることから、当該国の著作権法で複製が認められるのであれば、本来は複写サービスを提供することは可能なはずである。したがって、利用契約書で一律に複製を禁止する必要は必ずしもなく、弁護士資格を有する者の署名が求められる書類において、当該国で複製が認められるか否かの判断も合わせて行えばよいのではないか」
「このような著作物の国境を越えた流通に係る問題は、本来は各図書館で判断するような問題ではなく、国家間の協定などにより共通ルールを定めて対応すべき」

●現在の解釈・運用でいいのか問題、の種々
「「入手することが困難」を絶版等資料の核とする従来の理解から、「著作物の流通に権利者のコントロールが及び、かつ、権利者が利益還元を受けることが可能な状況」である、「通常の商業流通経路」での利用可能性を、絶版等資料の解釈の核として理解すべきである」

「商業戦略上の理由で一時的に絶版等資料に該当する場合には、無償での自由利用を認めてしまうと、権利者の不利益となる可能性がある。そこで、一時的放棄に対応するためには、権利者の不利益を考慮した何らかの措置を検討する必要がある。また、何らかの措置を講じることで、現在はストリーミングとプリントアウトに限定されている利用態様をダウンロードまで可能とすることや、関係者協議会の合意で限定されている適用対象となる資料の範囲を広げることに対する関係者の合意も得やすくなり、利用者の利便性を上げることができると考えられる」

「「拡大集中許諾+権利制限」方式の課題として、集中管理団体にライセンスを強制することができるか、という課題がある。そもそも、アウト・オブ・コマース著作物に係る制度が必要とされる背景にある「20世紀のブラックホール問題」において、何らかの措置を講じなければならないと問題視されている著作物は、「デジタル化やオンライン利用をするための権利処理が困難な著作物」である。そうすると、集中管理団体がライセンスを許諾しない、あるいは法外なライセンス料を要するなどして、デジタル化やオンライン利用ができない著作物が存在する場合、20世紀のブラックホール問題は解決できないことになる」
「日本は、音楽分野や映像実演分野を除いて集中管理率が低いと言われている」「少なくとも現在の集中管理の状況では、「拡大集中時諾+権利制限」方式の採用は難しい」

 →結果、著者はCDLモデル(Controlled Digital Lending)を推す、とのこと。

●ちなみにうちとこでは…
「日本では、絶版等資料に係る制度の運用主体はNDLに限定されている。
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<e>極私的にもっとも驚いたのはこの部分で、え、マジですか、だったらうちとこがほぼ毎日のように議論・運用している「著作権法第31条1の3」は何なんだろうなんですけど…