田辺剛『旅行者』(#egamidayの貸棚書店)

 OMS戯曲賞vol.14の戯曲本で、田辺剛『旅行者』、2008年刊

(写真、裏だった…)

 好きな京都の劇団のひとつ・下鴨車窓さんの中でも好きな作品のひとつで、たぶん初演含め2回くらい観てると思うのですが、シンプルな舞台に、不条理なファンタジーのような設定で、会話劇が進む的な感じで、ある土地のある家に行き場を求めて集まった5人の女性の、”旅行のようなもの”を強いられる様子を描いたもの。って思ってましたが、さっき作者のコメントを読み返して、あ、そういうことか(かもしれない)、ってなるのも戯曲本の楽しみですよね。
 我々は、どこかへ行くことを、どこに行くのかを、いや、どこに居るのかを、そもそも自分が何者かを、社会(の顔をした得体の知れない何者か)から強いられるということ、それって不安なのか怒りなのか、いや半笑いで適応していかなきゃ生きていけないのか。世の中のほとんどは自分の知らないところで決まる、と無邪気に笑う女と、どこかの誰かに強いられてここにいるわけじゃない、と抗って叫ぶ女と。でもどっちにしろ根無しなんだな、我々って。それが、過度にネガティブっぽくもポジティブっぽくもないところが、好きだったのかも。
 そんな好きな戯曲本(しかもCiNii Booksでは所蔵館無し)を売りに出しちゃっていいのか?と言うと、実はなぜか2冊本棚にあったので、重複本1冊を出してます。どうぞ誰かお読みください。
 ちなみに「書庫」という当業界人必見の舞台の戯曲本もあるんですけど、それは1冊しか持ってないので出さない。

参照:
下鴨車窓
https://mogamos.link/
「旅行者」

#egamidayの貸棚書店
烏丸丸太町近くの #こもれび書店 にて
https://komorebibook.theshop.jp/

test1

やりたいことはどれもやる。
時間に糸目はつけない。

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