2023年12月のまとめ

●2023年12月のまとめ
・「葬送のフリーレン」
・『コンビニ人間』
・清掃の日々
・「図書館DXの可能性:日本・中国における変革の潮流と実践的取り組み」。DXでやるべきは、単館取り組みより、社会における基盤形成
・謎女子会。柚子釜豆腐。自宅が人気過ぎて、自分が自宅に嫉妬してしまいかねない事案が発生。
・本棚の中のニッポンの日々
・春風に告ぐ
・”プロレス”会議
・研究データ会議
・webイベント会議
・士族の商法会議
・殺虫談義。専門家の知見は偉大。
・検索の日の1993談義
・執筆は、重き荷を負うて遠き道を行くのが、楽しい。
・5回目の方舟と、24時間後の副反応疑惑
・江戸マリー
・ナイチンゲールダンス
・増え続ける外付けHDD
・「家族法廷」
・カツオの会。健康管理と無理しないのが大事。エントリーは大事。
・配信「切り裂きはしないが攫いはするジャック」

ごあいさつ2023→2024 または、タイムシフトという現代人の権利について

2023年もいろいろとお世話になりました。
2024年もまたよろしくお願いいたします。

ブラッシュアップライフ、リバー流れないでよ、最高の教師、時をかけるな恋人たち…、今年も”時間もの”をたくさん堪能しました。葬送のフリーレンも時間ものだなと思うし、機内映画で見たTENETはミノくらい歯ごたえありましたね。
時を戻そう、と思う場面はいくらでもあるけど、実際には戻せるわけではない、その歯噛みが”時間もの”へ向かわせるのかもしれない。

と言いつつ、でも幾分かは時間の壁を越える術を、「タイムシフト」というかたちで我々は手に入れつつあるようです。
数年前から自宅に導入した、テレビの全チャンネルを24時間録画するレコーダーは、特に事前告知も手薄く放送時間帯もふわっとしたドキュメンタリーなんかで、あとからTwitterとかで「あれは良かった」などと目にして、かつてなら時間の壁に阻まれてあきらめるだけのところを、全録の中からサクッと掘り出して、なんならその場でスマホからアクセスして空間の壁も越えて見れる、というのがそのひとつかなと。まあこれも、見逃し配信や動画サービスやYoutubeやのほうが先を越して普及してるんでしょうけど。

それとオンライン配信、これがリアルタイムだけでなくアーカイブでも配信されることで、空間の壁だけでなく時間の壁もある程度越えることができるようになったんだな、と思えます。コロナ禍って、とんでもない禍でしたけど、それをきっかけに急速に普及したな、と。授業や会議、学会・研究会やシンポジウム・講演の類。コロナ禍当初なんか、むしろ数多くて忙しいくらいだったり、いままで行けてなかったり数年ぶりだったりという会にも行けたりで、実は結構な恩恵を受けてたりして。
興行場所がほぼ東京な演劇も地方にいながら鑑賞できるようになったし。海外の学会なんか、大枚はたいて何日も使ってしてしか参加できなかったのを、これもサクッと参加できるから、いままで参加できてなかった、そもそもするべくもなかったような人でも、気軽に顔合わせたり議論に参加できるようになったりして。

ああ、やっとこういう時代に、デジタルにトランスフォーメーションしたトランスフォーマーになれたんだなあと。

………思ってたんですけど。

なんでしょう、コロナの扱いが低くなった途端(注:沈静化したとは認識してない)、あの会やこの会やが、また現地対面オンリーに逆戻りっていう。多少はあろうと思ってましたが、こんなにも多いものかと。日本だけでなく、アメリカのあの集まりもヨーロッパのあの会も。なんなら、DXやAIやデジタルアーカイブをテーマとする会で、え、現地対面なの、と。で、東京なの、平日昼間なの、と。
その喪失感、ああそうだ、喪失感ですね。コロナ禍前で手に入るべくもなかった頃ならまだ無自覚無感傷だったものが、いったんその果実の味を知ってしまったうえで、なんかふわっと引き下げられてるという、喪失感もひとしおという感じがどうしてもします。いや、そっちの「時を戻そう」を望んでたわけじゃないんですけど、っていう。

アナログメディアがいいかデジタルメディアがいいかという類のお定まりの論争は21世紀が1/4になろうとしても尽きる気配はないし、尽きる必要も特にないとは思うんですが、どっちにしたって、併存できるなら、選択肢が多いままでいられるならそれにこしたことは全然ないんじゃないかと思います。メディアの違いってそういうもんじゃないですかね、国史大辞典や群書類従を1ページづつめくってはじめて身につくんだという人も、それじゃ困るんだという人も、どちらも気持ちはわかります。
で、じゃあ、現地対面の利点がそんなにもあるならというかそんなにも会いたくて会いたくてふるえるんだというんなら、ハイブリッドでもいいのカナと思うんですが、いや、現地オンリーしかない、と。ハイブリッドが技術的運営的にハードル高いのはもちろん身に染みて承知しているのですが、でももはやコロナ禍元年でもなく3-4年経ってるし、実際、ハイブリッドも課金制も限定アーカイブも調子良くやっていらっしゃるところはいくらもあるし、あたしみたいなデジタル手習いのはなたれ小僧でも、授業毎回ハイブリッドでやろうと思えばできるわけで。
なので、じゃあもう現地対面はあきらめてオンラインやハイブリッドの方を中心に参加しようか、というふうにも思うようになるわけです。その時間は勤務や家族の事情で参加できないんだとか、他にも責務を抱えてて部分的短時間しか時間をさけないとか、やっと参加できたと思ったら「続きは懇親会で」と当たり前のように言われるとか。そこに、タイムシフトや倍速再生の技術があるのなら、そっちに流れるのが人情だろうという。

それは、もったいない、という意味でもそうなんですけど、つまるところアウトリーチの問題だろうと思います。
多忙かつ多タスクなうえにやたら自己責任を問われる現代人にとって、定まった場所に定まった時間に居てられる、というのはある種の特権だろうし、空間/時間の壁を越えると言いますが、越えられるか越えられないかは個々人で違い、そしてその違いの幾ばくかは社会的要因が絡むという意味で、ある種の”格差”だろうと。ふだん意識しないけど。(時間や空間の格差としての意識しにくさは、何に起因するんでしょうね)
コミュニケーションを取り合い、知識知見を交換し合い、議論し合ってより良い次の知見を産み出す、ということをおこなおうとするその眼前に、何かしらの”格差”が江河大河のごとく横たわっていて、来てよその河とびこえてと言える既存の技術があるのなら、大阪城よろしく埋め立てて丸裸にしちゃいましょうよ、と。(特権を手放したくない人は、ハイブリッドなら手放さなくて済むし)

そう思うのは、それが、文書をのこしも情報を開示もしないとか、お仲間だけで議論を閉じて、密室で何かを決定するとか、その他大勢はそれにしたがっていればいいとか、だから発言もさせないし、ヤジもデモも記者も排除して冷笑してるとかいうのと、ゆきゆきては地続きだろうと、彼岸じゃなくおなじ岸だ ろうと、そう考えるからではあります。
年末に『大奥』見てたら、ジェンダーの壁の混沌とした幕府の人らが、身分や立場によらず広く意見を募って開国を議論しよう云々とおっしゃってましたが、時間・空間によらずの議論もできるといいな、って。そうやって、議論もライフもブラッシュアップできたらなって。

なんか、実はそういうことをずっとうっすら考えながら今年やったのが、日本とヨーロッパとでオンラインで議論するという「日欧DHクロストーク」ではありました。

日欧DHクロストーク2023
https://sites.google.com/view/ejdhxtalk20231107

他意はないながら白状すると、極私的にはDHも研究支援も生成AIもまあどうにかなるようになるだろうくらいにしか思ってなくて、それよりはむしろ、せっかくコロナ禍以降オンラインでミーティングすることが普及浸透したんだから、もっとそれを活用して、オンライン上にそういう場を設けて、ふだん会いそうにもなかった人同士でトークし、ふだん聴く機会もなかった土地や立場の人の話を聴き、国内の議論だけでは得られなかった知見ヒントを、交換、ていうか流通し合いましょうよね、ということをなによりも一番に考えてました。なので、動画やコメントの公開によるタイムシフトも実現できて、よかったなあ、って。

ということをふまえて。
配信もあります。リアルタイムも、アーカイブ視聴もあります。
コロナ禍の有無にかかわらず、「タイムシフト」は現代人の権利です、くらいの意識で念頭に置いておけるように。

言うと、書籍こそちょうど良い”タイムマシン”かつ”アウトリーチマシン”なので、生涯ライブラリアンしますとのたまった身としては、そう考えてそう志向するのは自然なことだと思っています。

という、まあ総じて、それくらい時間は大事ですよね、ということを考える年越しでした。

のこり時間もさほど潤沢ではないので。

「海外の日本研究と日本図書館」に関する2023年7月~11月の動向レビュー — EAJRSルーヴェン大会、EAJS参加者が見た日本研究の傾向、アジアで取り残される日本映画 他 ( #本棚の中のニッポン )

 5ヶ月分のまとめとして。
 総じて、いろいろ批判的なことをあちこちから言われている記事が多かったですが、これはもちろん「言ってもらえているうちはまだ良い」ということで。

■EAJRS

 2023年9月13~16日の日程で、ベルギーのルーヴェン・カトリック大学(KU Leuven)において、EAJRS年次大会が開催されました。

・EAJRS – 2023 Leuven
 https://www.eajrs.net/2023-leuven
 プログラムから、各発表のプレゼン資料・動画などへのリンクあり。

・E2647 – 第33回日本資料専門家欧州協会(EAJRS)年次大会<報告> | カレントアウェアネス・ポータル
 https://current.ndl.go.jp/e2647
・Conference Report: European Association of Japanese Resource Specialists (2023)
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Conference-Report-EAJRS-2023

 なお、こちらのミニパネルをおこないました。
「未来を拓く知識と技術:ChatGPT・AIリテラシー・デジタルヒューマニティーズ (パネル)」
 https://www.eajrs.net/forging-knowledge-and-technology-future-2023

■デジタルアーカイブ&デジタルヒューマニティーズ

●Sex, Migration, and Reimagining Modernity from the Transpacific Underground
・「Japanese Studies Spotlight: Sex, Migration, and Reimagining Modernity from the Transpacific Underground」
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-Modernity-from-the-Transpacific-Underground

●The CDDP Great Kantō Earthquake Project
・「Japanese Studies Spotlight: The CDDP Great Kantō Earthquake Project: A Collaborative Mapping Project」
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-The-CDDP-Great-Kanto-Earthquake-Project

●Grassroots Operations of the Japanese Empire
・「Japanese Studies Spotlight: Grassroots Operations of the Japanese Empire」
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-Grassroots-Operations

●Noh as Intermedia
・「Japanese Studies Spotlight: “Noh as Intermedia”: An Interactive Exploration of the World of Noh Theatre」
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-Noh-as-Intermedia

●キリシタン関連デジタルツール・プロジェクト一覧(キリシタン・バンク)
 https://kirishitanbank.com/repository/

■ e-resource&レファレンス&メタデータ

●BULACのe-resource講読停止
 BULACがジャパンナレッジや朝日新聞などのe-resourceをやめる??
・Suspension des abonnements aux ressources numériques à compter de janvier 2024(BULAC)
 https://www.bulac.fr/suspension-des-abonnements-aux-ressources-numeriques-compter-de-janvier-2024

●日本史用語翻訳グロッサリー・データベース
・The Online Glossary of Japanese Historical Terms
 https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/collection/digitalgallery/glossary/en/
「外国語で日本史研究を行う際の補助ツールとして、前近代日本史に関する史料用語・研究概念などの外国語訳・説明を集成し、検索可能にしたもの」

●OCLCの機械学習による重複書誌判定
・[Heb-NACO] Fwd: Identifying duplicate records using machine learning—non-Latin data labeling for WorldCat
 https://www.mail-archive.com/heb-naco@lists.osu.edu/msg01772.html
「In our next phase, we’re expanding the focus to records that include non-Latin script describing print books, e-books, audiobooks, journals, and videos published in Chinese, Japanese, Korean, Thai, Arabic, Hebrew, and Russian. 」

「OCLC WorldCatでつくる図書館の未来 目録データの国際標準がつなぐ日本と世界」
 図書館総合展にて紀伊國屋書店主催のフォーラム(2023/10/25)。
 早稲田・慶應からはWorldCatと共同目録、日文研からはWorldShare ILLについて報告しました。
 当日動画が下記にて公開されています。

・OCLC News 第71号 (2023図書館総合展OCLCフォーラム特集号2) | 教育と研究の未来
 https://mirai.kinokuniya.co.jp/2023/11/47140/

●目録とDEI
・Lee, Jian and Hill, Keiko (2023) “Equity, Diversity, Inclusion, and Anti-Racism Engagements at the UW Libraries: A Report on a Presentation Given at the Committee on Technical Processing Session, March 23, 2022,” Journal of East Asian Libraries: Vol. 2023: No. 177, Article 4.
 https://scholarsarchive.byu.edu/jeal/vol2023/iss177/4

 「Journal of East Asian Libraries」No.177所収。
 ワシントン大学図書館における、公平性(Equity)、多様性(Diversity)、包摂性(Inclusion)、反人種差別(Anti-Racism)にかかわる活動の報告。
 カタロギングについて、”有害な”LCSHとして日系人強制収容についてのワードの例など。
「examples of problematic and harmful LCSH, such as “Illegal aliens” and “Japanese American–Evacuation and relocation, 1942–1945.” The first term has been replaced by “Noncitizens” and “Illegal immigration” and the second term has been revised to “Japanese Americans–Forced removal and internment, 1942–1945.”

■日本研究

●EAJS参加者が見た日本研究の傾向

・日本大好きで留学した欧州の若手研究者たちが「日本ヤバイ」と感じた理由(栗田 路子) | FRaU
 https://gendai.media/articles/-/118165
「若手を指導する立場にある欧州在住の中堅学者に聞けば、日本研究において「社会問題」が研究テーマに急増したのは、「2010年代頃」からだという。靖国や慰安婦、在特会などが国外メディアでも伝えられると、大学院の学生たちは、差別やヘイト、分断や右傾化などに関心を持ち始めた。」
・偽情報や陰謀論…「日本好き」欧州の若き研究者が「日本社会も劣化している」と語る理由(栗田 路子) | FRaU
 https://gendai.media/articles/-/118166
「「日本社会の劣化」は研究対象に最適」「彼らは日本を研究してはいるが、研究テーマが「日本」に限定されているわけではない。現在世界的にメタ現象として進行している「新右翼」や、それと「デジタルメディアの関係」、さらにいえば、AIなどのハイテクによる「デジタル・トランスフォーメーションと社会との相互ダイナミズム」がテーマなのだ。アメリカやヨーロッパの国よりも、日本のそれを分析した方が、より顕著に見える」

https://twitter.com/cm3/status/1692545874251952197
(EAJSにて)「たくさん Abe に言及する発表があって、その多くがある程度の前提を共有していて、一方で、日本の今年の政治学や社会学の年次大会では一つもタイトルに冠しているものはないというところが、自国のことを自国の人間が自国で語ることの難しさを表している」

●ラムゼイヤー論文問題

・Scholarly and Public Responses to “Contracting for Sex in the Pacific War”: The Current State of the Problem (2023年9月)
 ラムゼイヤー論文について、掲載雑誌(IRLE)が「撤回せず、反論文を掲載」と結論したタイミングでの、論点整理とのこと。  
https://sites.google.com/view/concernedhistorians/the-current-state-of-the-problem-sept-2023

・Yoshimi, Yoshiaki. “Response to “Contracting for sex in the Pacific War” by J. Mark Ramseyer”. IRLE, Vol. 76, Dec 2023.
 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0144818823000364
 ラムゼイヤー氏論文への反論文。同じ雑誌(IRLE)上に掲載されたもの。(IRLEによる方針の結論が出るのにここまでかかっている)

●その他

・海外の日本中世史研究 [978-4-585-32535-2] – 3,520円 : 株式会社勉誠社 : BENSEI.JP
 https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=103694

・シュミット堀佐知編『なんで日本研究するの?』(文学通信) – 文学通信
 https://bungaku-report.com/books/ISBN978-4-86766-019-5.html

・第5回人間文化研究機構日本研究国際賞受賞者の決定について | 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
 https://www.nihu.jp/ja/news/2023/20231101-0
 「柴谷 方良(SHIBATANI Masayoshi)氏
  ライス大学ディディ・マクマートリー人文学教授・言語学名誉教授/神戸大学名誉教授」

・Professional Development Series: “Ask the Editors: Publishing Your Book in Japanese Studies” (Modern Japan History Association)
 https://mjha.org/event-5420134

https://twitter.com/bsbakery/status/1694961713777648031
 (Hoyt Long『The Values in Numbers』について)
 「青空文庫そのものの記述については、不十分な箇所が散見されてもいて、(研究書としては)もう少し丁寧な調査と取材が欲しかった」

■日本資料

●オハイオ州立大学日本語地図コレクションに関するプロジェクト
・Lost in Translation – Western Association of Map Libraries
 https://waml.org/waml-information-bulletin/volume-54-number-3/lost-in-translation/
 図書館の所蔵資料を学生等の専門性で活用したプロジェクト。

●The Japan Art Catalog Project
・Japanese Studies Spotlight: The Japan Art Catalog Project: Facilitating Access to Art Materials at the Smithsonian and Beyond
 https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-The-Japan-Art-Catalog-Project

■催し

●EAJS2023年ゲント大会
・2023: Ghent, Belgium – EAJS
 https://eajs.eu/eajs-2023-conference/

●東アジアと同時代日本語文学フォーラム
・第11回東アジアと同時代日本語文学フォーラム バリ大会 ポスター
 https://eacjlforumweb.wixsite.com/eastasiaforum/single-post/%E7%AC%AC11%E5%9B%9E%E6%9D%B1%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%A8%E5%90%8C%E6%99%82%E4%BB%A3%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A0-%E3%83%90%E3%83%AA%E5%A4%A7%E4%BC%9A-%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC

●Japanese Rare Book Workshop on Edo Printed Books (2023)
 https://www.eastasianlib.org/newsite/cjm/workshops/#japanese-rare-book-workshop-on-edo-printed-books-2023

 2023年8月9日から11日までワシントンDCの米国議会図書館(LC)で開催された「江戸版本に関する日本貴重書ワークショップ」について、JEALで報告されている。

・Marra, Toshie and Noguchi, Setsuko (2023) “The 2023 Japanese Rare Book Workshop on Edo Printed Books: A Report,” Journal of East Asian Libraries: Vol. 2023: No. 177, Article 5.
 https://scholarsarchive.byu.edu/jeal/vol2023/iss177/5

■文学・翻訳

・「自分とは無関係なのに、親密なものを感じる」……海外の作家たちが語る現代日本文学 : 読売新聞
 https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/articles/20231120-OYT1T50069/
 「作家の村上春樹さんが、世界への日本文学の受け入れられ方に与えた影響を探る国際シンポジウム「世界とつながる日本文学~after murakami~」が10月28日、早稲田大で開かれた」
 「村上文学に触れて育った新しい世代が、現れている」

・開催報告:Dr. Christina Yi 講演会「「日本語」文学に対する批評的アプローチ: 金石範の作品に関して」 – スーパーグローバル大学創成支援「Waseda Ocean 構想」
 https://www.waseda.jp/inst/sgu/news/2023/09/06/26264/
 「従来の「日本文学」に代わる概念として「日本語文学」という区分が文学研究の領域で注目を集めるようになった背景を概説し、「日本語文学」という概念そのものが、それが解体しようとする、中心と周辺のあいだの非対称的な権力関係を再生産してしまう危険についても言及」

■文化・エンタメ
・北米のコミックス/マンガ市場 2022年は過去最大の3200億円
 http://animationbusiness.info/archives/15062

・「日本漫画100選」海外で国別にリスト化…米・フランス・スペインでスタート、順次拡大へ : 読売新聞
 https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/articles/20231019-OYT1T50117/
 「日本の漫画を世界に広めるため、文化庁は来年度、海外の図書館が蔵書の目安にできる100作程度の推薦リストを国別に作る方針を決めた」
 「各国の図書館では利用者から日本の漫画に関する問い合わせが増え…一方で、国際的評価が定着している漫画は限られ、各国の司書の知識には差があり、十分に日本の漫画の魅力を伝えきれない」
 「文化庁文化経済・国際課では「日本からの押しつけにならない形にしたい」としている」

・ウクライナ南部で日本アニメ店「皆に安心を」|社会|セレクト記事|京都新聞
 https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1138901

・Emmanuel Macron apporte son soutien à un projet de musée du jeu vidéo lancé par un youtubeur
 https://www.lemonde.fr/pixels/article/2023/11/05/emmanuel-macron-apporte-son-soutien-a-un-projet-de-musee-du-jeu-video-lance-par-un-youtubeur_6198341_4408996.html
 マクロン大統領がユーチューバーのゲーム博物館プロジェクトを支持、クラウドファンディングで基金170万ユーロ。

・「ハウルの動く城」モデルの街に日本の漫画ミュージアム フランス東部コルマールに2027年:東京新聞 TOKYO Web
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/262193
 「スタジオジブリの作品とゆかりがある仏有数の観光都市コルマールで2027年の開業を予定。整備を進めるアルザス欧州日本学研究所(CEEJA)は「国内外の観光客に向け、日本のポップカルチャーを発信する拠点にしたい」」

・「アジアで取り残される」日本映画が直面する現実 韓国映画界トップが日本の映画の未来を危惧 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン
 https://toyokeizai.net/articles/-/716369
「パク委員長によると、日本が不参加の理由は、7カ国のような国公立の映像機関がなく、窓口となるカウンターパートナーがいないことにより、連携が取れなかったことだ」
「事前に日本に参加を求めるため、文化庁やユニジャパン(日本映像コンテンツの海外展開支援を担う公益財団法人。東京国際映画祭を開催)にアプローチしたが、担当部署がわからないままやりとりが途絶えていた」
窓口がないために連携ができなかった日本の現状について「国外に対して、窓口が明確になっていることは重要です。外から見ると、どことどうコンタクトを取ればいいかわからない。日本がそういう状況にあることを痛感しました」と声を落とす」

■社会問題

・Japanese research is no longer world class — here’s why
 By Anna Ikarashi, Nature 623, 14-16 (2023)
 https://www.nature.com/articles/d41586-023-03290-1
 「日本の研究はもはや世界レベルではない」とのこと。

・ノーベル賞教授の記者会見に反響 見抜かれた未熟な日本の女性参画 | 毎日新聞
 https://mainichi.jp/articles/20231012/k00/00m/020/082000c
 「日本の出生率の低さや男女の賃金格差に言及」、女性を労働力として働かせるだけでは解決にならない、アメリカが長い時間をかけて価値観を変えていったのに対し、日本では急速な変化に職場が追いついていない、とのこと。

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