今日の「CA読み」メモ: アクセシビリティ、わざわざ系本屋 他

 メモの滞架をぼちぼちと。

●CA2040 – 学術雑誌のアクセシビリティ:現状と課題 / 植村八潮
 https://current.ndl.go.jp/ca2040

 障害者向けアクセシビリティにとどまる問題ではなく、本当の意味でのDXとはどういうことなのか、が問われている、ということ。

「J-STAGEはウェブサイトとして、どの階層でも完全な構造化がなされていない。このことから、J-STAGEはアクセシブルであるとは言いがたいという厳しい評価が視覚障害者から寄せられている」
「ほとんどのPDFにはアクセシビリティの問題があるため、これに関する私たちの大きな戦略の一つは、一般的にアクセシビリティに優れ、アクセシブルな方法で作成しやすいHTMLベースの形式の採用を奨励することである」
「OCRテキストが付されていれば、スクリーンリーダーによる音声読み上げが可能であるとは言え、OCRの誤認識がそのままになっているものが多く、アクセシブルとはとても言いがたい。」
「J-STAGEだけでなく、現在流通する電子書籍においても対応しているものはないと言ってよい。電子書籍については、アクセシビリティのメタデータが付与されていないという課題以前に、メタデータの要素自体が未整備である。」

●CA2041 – ニューノーマル時代に対応したラーニングコモンズと学習支援のリデザイン―コロナ禍での対応からの示唆― / 川面きよ
 https://current.ndl.go.jp/ca2041

「「直接的な学習支援」を伴わない、インフォメーション・コモンズの段階にとどまっていると言われていた」
 ↓
「コロナ禍によりオンライン学習環境を整える中でオンライン・チュータリングやメディアサポート支援、オンライン学習コミュニティの形成・活動支援など学生への直接的な学習支援へのアプローチを開始し、コロナ禍の収束が見える現在も継続してその活動の幅を広げている」

●CA2042 – 北米におけるデジタル・ヒューマニティーズと日本研究の現状:発展、協働、そして課題 / ポーラ R. カーティス、後藤 真(翻訳)、川邊咲子(翻訳)
 https://current.ndl.go.jp/ca2042

→「北米におけるデジタル・ヒューマニティーズと日本研究の現状」(カレントアウェアネス)を読んだメモ: egamiday 3
 http://egamiday3.seesaa.net/article/499989773.html

●CA2043 – 動向レビュー:オープンサイエンスをモニタリングする機関向けダッシュボードとその提供指標:OpenAIREを例として / 池谷瑠絵
 https://current.ndl.go.jp/ca2043

「オープンサイエンスをモニタリングするダッシュボードとして先駆的であり、また代表的なものとしてEUのOpenAIRE」
「EUのOpenAIREの活動と対比させると、日本においては、CiNii Researchが同様の役割を担うことが可能性として考えられる。」

●CA2044 – 動向レビュー:「わざわざ系本屋」の系譜―多様化する本屋と、そこに注がれる眼差し / どむか
 https://current.ndl.go.jp/ca2044

 これは、近年の”わざわざ系”を解題するのに、過去の経緯をまとめているところが、記事化した価値かと。
 最後に↓これを押さえていることにも価値がある。
「「ブックストア・ソリューション・ジャパン」(BSJ)を2022年10月に立ち上げ、2023年2月に東京都からNPO法人認証を受けた(98)。出版文化産業振興財団(JPIC)が2022年12月に全国1,741市町村のうち26.2%で書店がゼロになった(99)との衝撃的な調査結果を発表した。その発表を受けて、BSJは「当たり前のように本と出合える場所があってほしい」と願い、「無書店地域に〈まちの本屋〉の復活を」「まちづくりは人づくりから」「本は人を育み、本屋は人をつなぐ」をコンセプトに、商売として成立する本屋モデルの構築を掲げ、「まちづくり」の拠点機能を備えた「新しい本屋のかたち」を地元と共に作っていきたい、としている。」

2024年の極私的・絵馬、書き初め、トピックス、EgamiDayGs

 絵馬。それは、こういう過ごし方ができればいいなという、自分への心づもり。毎年年頭によくやる。
 書き初め。それは、年間通しての極私的標語。
 トピックス。それは、今年取り組むべき重点的な活動項目。
 EgamiDayGs。それは、絵馬・書き初め・トピックスをふまえて、持続可能で無理なく取り組んでいけそうな、egamidayさんの極私的な努力目標と行動指針。
 そう、すべては自分のための極私的な。

※絵馬(2024年)
・生涯”ライブラリアン”という社会への向き合い方に取り組む
・15年後・25年後への持続可能な資産形成に取り組む

※書き初め(2024年)
・毎日、執筆。

※トピックス(2024年)
・ライブラリー
・オンライン
・コンテンツ(目次的な意味で)
・コンテンツ(資料的な意味で)

※EgamiDayGs(2024年)
・どの1日も取りこぼさず、Betterを尽くす
・”やったこと化”を増やそう
・プロジェクト・ベースで動き、サンドボックスで試す
・新しい経験を増やす
・呼吸するようにinput & output
・目は臆病・手は鬼
・資料にむきあい、コンテンツを可視化する
・デジタル手習いを、初心から
・拠点と資産を育てよう
・限られた時間資源をアルファなコンテンツに向けよう
・すべての朝にウォーキング/サイクリングを
・血圧の安定を目指そう
・京都を愛そう

『春の画』を観たメモ

 ドキュメンタリー映画『春の画』、2回目、トークショー付き、@出町座、を観てきました。

 ドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』公式サイト
 https://www.culture-pub.jp/harunoe/
 
 縁あってちょっとだけ関係がありまして(ウォーリーを探してください)、だから言うわけでもないんですが、まず画がものすごく美しい、画質がいい(映画を見慣れてないので相場がわかりませんが)のと、とらえ方がいい。ナレーションもテロップもないので、すごく観やすい。それでいて、インタビュー中心なんだけど、ナレーション・テロップ無しでぜんぜんわかりやすい。春画抜きにしてでも、そのあたりで話題になってほしいなと。

 そもそもを言うと、自分は実は春画ってだいぶ苦手なたちで、該当部分の直接的でどぎついのが特に、業務上の必要でその絵面をマジマジと凝視しなきゃならんみたいなのはだいぶ精神削られながらやってるんですけど、ただそういう絵面を直接ではなく、経緯とか周辺とか技術取り扱いとか読み解き分析のようなことが語られているこの映画の話は、非常に興味深く延々と聞いてられるなと、トークショーもあと倍は聞けたなと、で、聞きながら、該当部分はピントずらして見てたりして、あっという間の2時間+1時間でしたね。
 該当部分以外なら自分の興味が延々続くのは何故なんだろう?ということをつらつら考えてたんですが、春画が持ちそなえているのが”性”や”歴史“や”芸術“だけでなく、どれも”文芸“だから、なんだろうなと思い至りました。(注:それは絵詞の有無とかいう問題でないです)
 文芸。どの春画も文芸が含まれ、どんなに瞬間的でも”物語“が描かれ、ていう。しかも、どれもインディーズな文芸性、それは多分規制をかいくぐっての存在だからなのかなと。春画の上で解放されていたのは性だけでなく文芸性だったんだなと。
 egamidayさん文芸大好物なので、春画の話聞くのおもろいの多分それだと思います。
 でも、浮世絵全般文芸性あるはずだけど、春画ほどかと言われるとなんか違うので、そこは謎です。

 なお、おもろいのはこっちの『春の画』のほうです。

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