「海外の日本研究と日本図書館」に関する2025年1月~3月の動向レビュー — 特にNDLのオンラインまわりについて 他 ( #本棚の中のニッポン )

●NDLとオンラインまわり

・「The NDL is planning for users to be able to acquire photocopies as PDF files through the remote photoduplication service from February 20, 2025.」(国立国会図書館)
https://www.ndl.go.jp/en/news/fy2024/250206_01.html
NDLによる遠隔複写のメール送信に関する、海外向け英語版案内ページ。

・「海外の図書館向けデジタル化資料送信サービスの申請に必要な書類を見直しました」
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2024/250310_01.html
「これまでサインができる者を所管政府機関又は弁護士としていましたが、法律専門家の確認を経たことを条件に、図書館長のサインも新たに可としました。」
「裁判管轄について、これまでは全て東京地方裁判所としていましたが、被告の主たる事務所の存在する地に管轄権を持つ裁判所が専属的裁判管轄権を持つようにしました。」

・「Access Options for NDL Digital Collections – CJM & NCC Open Session with NDL Experts」
https://japanpastandpresent.org/jp/events/access-options-for-ndl-digital-collections-cjm-ncc-open-session-with-ndl-experts
2025年3月13日にオハイオ州コロンバスのCEAL内プログラムのひとつとしておこなわれた、NDLによる図書館送信サービス&遠隔複写メール送信サービス(特に海外向け)についての、オープンセッション。
極私的感想としては、むむむーっ、という感じ(感想にならない)。
以下、当日パワポ&配付資料

CJM & NCC Informal Business Meeting
https://drive.google.com/file/d/1sIezhfHNcX0p0cs5o-jZ2wIoelVuZ7FO/view?usp=drive_link
Presentation by NDL
https://drive.google.com/file/d/1RQ5PMxpIbPk-VKVG7_x5bN4_404u9w7i/view?usp=drive_link
Handsout
https://drive.google.com/file/d/1Z2rNOUkHKpN2VqC3sEZ2cZK-O7sBgK-T/view?usp=drive_link

●CEAL2025@オハイオ州コロンバス

Annual Meeting

・Japanese Studies by the Numbers: Data-driven Approaches to the Future of the Field
https://www.eastasianlib.org/newsite/wp-content/uploads/2025/04/Curtis-CEAL-2025a.pdf

・Filling the Service Gap in Teaching as a Subject Librarian and a Curator
https://www.eastasianlib.org/newsite/wp-content/uploads/2025/04/2_2025-CEAL-Librarian-3_Kana-Jenkins.pdf

・Building Unique and Distinct Collections for Japanese Studies: Challenges and Opportunities
https://drive.google.com/file/d/1UiO_z1drVv5CAGeCKf0Qre7ouH7FkXRK/view?usp=drive_link

・University of Hawai’i’s Satsuma Collection
https://drive.google.com/file/d/1O7sTNcvC5Cuv-ocjMGrbSfqaDKEAHtgO/view?usp=drive_link

・Princeton University’s Umeda Noriko Archives
https://drive.google.com/file/d/1mclPJ3Ob3p10RX7Ve2LfSBk-lzfTFX43/view?usp=drive_link

・International Research Center for Japanese Studies’s Radio and Television Scripts Collection, 1950s-2000s, from the Consortium for the Promotion of Broadcast Script Archives in Japan
https://drive.google.com/file/d/1XUbjbF4kl4UdRxTkXwlkh886f61Z1y6v/view?usp=drive_link

●レファレンス・メタデータ

・「高麗大学校の鄭炳浩教授との対話 : 日本文学を大学の壁を越え、より広い世界へと広げる」(Japan-Insights | 公益財団法人東芝国際交流財団)
https://www.japan-insights.jp/jp/stories/stories08.html
「鄭教授は、日本研究の領域におけるもう一つの課題を指摘する。「跨境」は、査読付き文献の世界最大の抄録・引用データベースである『Scopus』に索引付けされている数少ない日本文学学術誌の一つであり、この学術誌に掲載された研究は国際的に認知される。しかし一般的に、人文学系の日本文学学術誌は引用索引データベースを作成していない。」
<e>これは?

・「Japanese Studies Spotlight: Art Platform Japan: Fostering the Development of Research on Japanese Art」(NCC)
https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Japanese-Studies-Spotlight-Art-Platform-Japan
国立アートリサーチセンターのアートプラットフォームジャパンについて、川口雅子さんの記事。

●日本資料

・International Course on Conservation of Japanese Paper – JPC 2025
https://www.iccrom.org/courses/international-course-conservation-japanese-paper-jpc-2025
東文研での和紙ワークショップ(2025年8月-9月)について

・「幻の木版画 ちりめん本」(NHK)

●日本研究

・JPPのプロジェクト助成金:2025年春の受賞者発表(Japan Past & Present)
https://japanpastandpresent.org/jp/news/announcing-the-recipients-of-jpps-spring-2025-project-funding
「口承記号論としての環境人文学:津島裕子「ジャッカドフニ」の翻訳と注釈」
「流動する草双紙 文章と挿絵にみる翻案の連鎖」
「命のレシピ ― 沖縄・琉球の食文化」
「感覚のごた混ぜ:現代日本における食と言語」

・第6回人間文化研究機構日本研究国際賞をコロンビア大学歴史学教授のキャロル・グラック(Carol Gluck)氏に
https://www.nihu.jp/ja/event/2024/evt2024-000752.html

・NDLウェビナー「日本研究のための情報源活用法」(令和6年度)
「日本政治、日本政治史研究の道案内―海外からどう進めるか―」(清水唯一朗氏(慶應義塾大学総合政策学部教授))
https://www.ndl.go.jp/jp/library/training/guide/jsl_webinar2024.html

●コミュニティ

・「Specialist Spotlight: Matthew Hayes」(NCC)
https://guides.nccjapan.org/homepage/news/news/Specialist-Spotlight-Matthew-Hayes

・「北米美術図書館協会(ARLIS/NA)来日記念国際シンポジウム「美術アーカイブと図書館における国際連携」開催と関連機関視察」
https://www.tobunken.go.jp/materials/katudo/2383891.html
「美術・建築を専門とする司書、視覚資料専門家、キュレーター、教員・・・はじめて日本でのスタディーツアーを開催し、16名のメンバーが来日」

●社会問題・国際社会

・「West Point Disbands Cadet Clubs Following Trump’s Anti-DEI Order」
https://time.com/7212911/west-point-disbands-cadet-clubs-affinity-groups-trump-dei-order/
The list of banned student groups…Japanese Forum Club, which described itself as a place for promoting “understanding and appreciation of Japanese culture and language”
トランプ政権のDEI否定により、陸軍士官学校のさまざまな学生団体が禁止され、その中にはLGBTQグループ、アフリカ系グループのほか、日本理解を深めるグループなどが含まれていたとのこと。

・吉見俊哉 トランプを再選させてしまったアメリカという病【著者に聞く】(中央公論.jp)
https://chuokoron.jp/culture/126577.html
「日本人の社会学者である私がアメリカの大学で、日本のことを学びたい学生に「日本の中のアメリカ」について英語で講義する・・・日本人が他者としてのアメリカとどう出会ってきたのか、逆に拡張する文明としてのアメリカが日本をいかに捕捉してきたのか」

2025年1-2月のまとめ

●1月
・『ブックセラーの歴史』
・比叡山延暦寺詣で。一隅を照らし、千里も照らす。
・おせちつくり&炊飯器餅つくり
・家族zoom
・京都役者落語の会・新春寄席
・ヱビス クリエイティブブリュー 「ほうじ茶の余韻」。セブンイレブン巡回の日々。
・年頭計画
・ハッタリプレゼンス
・「202409eu ブルガリア日記」(egamiday3+)

202409eu ブルガリア日記その2 : EAJRS編


・石清水八幡宮詣で
・「新・暴れん坊将軍」
・「スロウトレイン」
・「べらぼう」「御上先生」「東京サラダボウル」
・こたけ正義感「弁論」。1月の激推しコンテンツ。しゃべくり、伏線、そしてこの社会に願うこと。
・カウンセラー仕草
・次はオハイオ・コロンバス行き
・「パネルクイズ アタック25 Next」
・定例女子会と満腹フランス料理
・「車輪の再発明をしたいんです」
・寄席終了
・「図書館情報資源論」を考えるシリーズ(1): いまの”生シラバス”(egamiday3+)

「図書館情報資源論」を考えるシリーズ(1): いまの”生シラバス”


・スマホ・クライシス。winPCのitunesは鬼門。
・『これからの本屋読本』
・『バルセローナ (世界の都市の物語 3)』
・もつ煮昼食@回向
・博物館デジタルアーカイブの現在地

●2月
・アイリスオーヤマの8インチタブレット、1万円。これで充分なんですけど。
・吉田山節分
・町家古本はんのき
・己の恵方は己で決める
・月1年休制度
・「補償金のこと わかっていないような 喜びよう」
・Lee, Junghae and Hill, Keiko (2024) “Manga Records Enhancement Project at the University of Washington Libraries,” Journal of East Asian Libraries: Vol. 2024: No. 179, Article 4.
・walking in the witer wonderland@清水編
・『バルセロナ』(中公新書)
・「EIGHT-JAM」竹内まりや回
・walking in the witer wonderland@金閣編
・「おはようございます。 好きな言葉は「行きがけの駄賃」です。 今日も一日よろしくお願いします。」
・walking in the witer wonderland@大原編
・Lisbon, A. H. (2024). Price trends of second-hand Japanese books sold on Amazon Japan. IFLA Journal.
・Davis, A. M. L., Matsuura, K., & Sugiyama, Y. (2024). 「The Notable Japanese Collections Dashboard Project: Unexpected Treasures and Opportunities for Collaboration」. East Asian Publishing and Society, 14(2), 237-254.
・ブックカフェ上方演芸
・劇団MONO「デマゴギージャズ」。「陰謀論」感染はゼロか100かではなく、グラデーションでいつも誰にでも、あなたにも私にもリスクの種は云々。
・休肝日週3日が定着するに至る。
・「特異があたりまえになる未来をつくる」
・露と消えた親孝行噺。売らんかな。
・MDプレーヤーを手に入れる
・walking in the winter wonderland@今宮編
・iPhoneバッテリー交換ならず問題
・詐欺リスク、からの、上乗せサクサク。あと何回の出張。

今日の論文読みメモ: Amazon古本価格は適正か?

Lisbon, A. H. (2024). Price trends of second-hand Japanese books sold on Amazon Japan. IFLA Journal. https://doi.org/10.1177/03400352241270662

Amazonジャパンの古本価格(約300タイトル)について、その動向と適正価格を調査したもの。

・日本語のコレクションを構築している図書館にとって、Amazon の日本語サイト(amazon.jp) は、特に古い絶版本などの資料を⼊⼿するための貴重なリソースである。
・加えてAmazonジャパンは、
 (1)インターフェースを英語に切り替えることができるため、日本語を⺟国語としない人にとって便利
 (2)アマゾンのインターフェースはほとんどの人が使い慣れている
・Amazonジャパンの古本価格(約300タイトル)について、その動向と適正価格を調査した
・データ収集のために、AutoHotkeyスクリプトを使用。
・多くの販売者は海外に発送しないため、調査用に日本国内のダミー住所を使用した。送料(国内)は今回の価格調査には含めていない。
・(古書としての)「状態」が「価格」に与える影響を分析した。
・「中古-非常に良い」状態はすべての中古状態の中で最も価格にばらつきが少なく、それは適正な価格であると信頼できる。
・逆に古書としての状態が悪いほど、過剰請求される可能性が⾼くなる。
・中古本が「新品」の状態の同等品よりも⾼い価格になっている例も多数ある。「中古 ‒ ⾮常に良い」状態の本は、一般的に「中古 ‒ ほぼ新品」の本よりも販売価格が⾼いという一貫した傾向がある。
・本調査では、「日本の古本屋」サイトの価格とも比較調査をした(kosho.or.jp)。結果、Amazon Japanの価格は過大評価されている。購入者が日本語リテラシーを持っているのであれば、「日本の古本屋」を使ったほうがよい。確信が持てない場合は、Amazon Japan の価格と古本屋のリストを
比較して、価格の公平性を評価します。そうでない場合は、可能であれ、価格が下がるまで待つ。

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