極私的ドラマクラブ 2024

 実はまだ観れずにHDDの中に眠ってるのが何タイトルもあり、さらには半分くらい観て止まってるのもそうとうあって、今年はあんまドラマ観れずじまい、という印象(こういうときに観るのって、絶対観たいのと、どうでもいいのを流し観するのとに、二極化しがちですよね)、の中から。

●「光る君へ」
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●「道」
 BS再放送にて。「虎に翼」の描く明治大正昭和や「不適切」の描く80年代が、それでも令和フィルターでだいぶマイルド化されてたんだなと思えるくらいに、昭和のどっぷりしたリアルホームドラマby橋田壽賀子は、えげつなかった。よくあんな人権無視の時代を生きてこれたな、いまの日本はこれでもそれなりにアップデートされてるんだな、とともに、その頃の価値観残党はまだまだ油断はできん。という感じを尻目に、中田喜子、中村勘九郎、大竹しのぶ、尾藤イサオ、渡辺篤史といったそうそうたる人たちのはつらつたるのがとてもよかった。あと、主題歌の歌詞がすさまじい。

●「虎に翼」
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●「不適切にもほどがある」
 え、これってほんとに同じドラマを観てる??っていうくらい、物言う人ごとに解釈がまるっきりちがう様子を目のあたりにした。極私的には、表層だけ取り繕って本質をアップデートしていない現代と、置かれた立場と環境によって価値観と正義感を容易に上書きしてしまう人の性と、作り手自身もそうだと吐露してしまうあたり、を、令和よりも先の未来からの視点で描いたんだな、という理解なんですけど、そんなことよりもこのドラマは「河合優実の人がとうとう世に見つかった」作品という評価オンリーで良いかと思います。実際、同じ宮藤官九郎脚本なら「新宿野戦病院」のほうが5-6倍は良かったと思う。

●「アンチヒーロー」
 事件もの弁護士ものの中ではちゃんと見応えがあった、世の中が不公正だらけで見ててしんどくなるけど。萬斎さんが萬斎さんだった。

●「Believe」
 あれたぶん、最後の方でリアルに都知事選がかぶっちゃって、悪事がマイルドになってたですよね。

●「アンメット」
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●「海のはじまり」
 最後の方まだ観れてないので、早く観ます。

●「新宿野戦病院」
 実際、同じ宮藤官九郎脚本なら「不適切」よりもこちらのほうが5-6倍は良かった、現代の不適切の蓋をひっぺがして裏から出てくる黒いもやをずっと浴びてるような感じ。ほんとの野戦病院だった。
 バイリンガルで字幕がないと困るので、テレビに向かわないとスマホでは観がたいドラマだった。

●「海に眠るダイヤモンド」
 1話づつ毎週ちゃんと地道に観ていくことで、ごほうびが得られる構成のやつ。

●「若草物語」
 「虎に翼」をあんだけみなさんでやいやい観てたのを、こちらへ言及がないのが不思議、な作品。
 といいつつ自分も8話くらい一気見してた。

●「全領域異常解決室」
 伏線や謎の解き明かしや重層的な構想がいい(1話で切らなくてよかった)んだけど、素材がなぜ”それ”なの??というなかなかのとんがった感じ。

 その他、「あきない世傳 金と銀」「ギークス」「GO HOME」「スカイキャッスル」「嗤う淑女」「笑うマトリョーシカ」「オクラ」「モンスター」「おむすび」など。
 観てるべきタイトルがここにすら出てこないのがつらい。