今日の論文読みメモ: Amazon古本価格は適正か?
Lisbon, A. H. (2024). Price trends of second-hand Japanese books sold on Amazon Japan. IFLA Journal. https://doi.org/10.1177/03400352241270662
Amazonジャパンの古本価格(約300タイトル)について、その動向と適正価格を調査したもの。
・日本語のコレクションを構築している図書館にとって、Amazon の日本語サイト(amazon.jp) は、特に古い絶版本などの資料を⼊⼿するための貴重なリソースである。
・加えてAmazonジャパンは、
(1)インターフェースを英語に切り替えることができるため、日本語を⺟国語としない人にとって便利
(2)アマゾンのインターフェースはほとんどの人が使い慣れている
・Amazonジャパンの古本価格(約300タイトル)について、その動向と適正価格を調査した
・データ収集のために、AutoHotkeyスクリプトを使用。
・多くの販売者は海外に発送しないため、調査用に日本国内のダミー住所を使用した。送料(国内)は今回の価格調査には含めていない。
・(古書としての)「状態」が「価格」に与える影響を分析した。
・「中古-非常に良い」状態はすべての中古状態の中で最も価格にばらつきが少なく、それは適正な価格であると信頼できる。
・逆に古書としての状態が悪いほど、過剰請求される可能性が⾼くなる。
・中古本が「新品」の状態の同等品よりも⾼い価格になっている例も多数ある。「中古 ‒ ⾮常に良い」状態の本は、一般的に「中古 ‒ ほぼ新品」の本よりも販売価格が⾼いという一貫した傾向がある。
・本調査では、「日本の古本屋」サイトの価格とも比較調査をした(kosho.or.jp)。結果、Amazon Japanの価格は過大評価されている。購入者が日本語リテラシーを持っているのであれば、「日本の古本屋」を使ったほうがよい。確信が持てない場合は、Amazon Japan の価格と古本屋のリストを
比較して、価格の公平性を評価します。そうでない場合は、可能であれ、価格が下がるまで待つ。